「ほらね、椎間板のここの部分、でっぱっているでしょう。」
「…どこです???」
MRIで腰椎椎間板ヘルニアを指摘されても、患者さんには医者の言っているヘルニアがさっぱりわからないことがある。
確かに小さいヘルニアの場合は、患者さんに画像上の正常とヘルニアの違いを理解することは困難である。
そのため、小さいヘルニアはMRI撮影をしても見逃されやすく放置されるケースが多い。
これに対して腰椎椎間板ヘルニアがないひとでは、ヘルニア同等の 少しの椎間板膨隆があったとしても、全く痛みを訴えないことがある。これは椎間板ヘルニアが突出する場所によって症状に大きな違いが生じてくるのである。
小さいヘルニアは、ピンポイントで神経を圧迫していて症状を引き起こす。このタイプは後縦靭帯の膜を破っていないため、なかなかマクロファージなどに吸収されない。
そのため、症状がなかなか改善せず、一年以上の保存治療してから最終的に手術に至るケースもある。
つまり小さいヘルニアだからといって安心できないし、 むしろ痛みが長期化してなかなか治らない可能性があるといえる。