「あー。背骨が骨折していますねぇ。腰の骨が骨折して潰れています。』と、身に覚えのないことを医者に言われるかもしれません。
また、長年悩んでいた腰痛の原因を、「実はあなたの背中の痛みは、背骨の骨折が原因だったのです」と宣告されるかも知れません。
これは、骨粗鬆症を基盤として生じた脊椎の骨折であり、『骨粗鬆症性圧迫骨折または圧迫骨折』と呼ばれます。骨粗鬆症になると、体全体の骨が弱くなり非常に軽微な外傷(たとえばくしゃみ)で圧迫骨折を起こしたり、全く外傷がないのに骨が折れることもあります。
高齢者の3人に2人は圧迫骨折があるとも言われます。まったく痛みがない骨折の方もいますし、痛みが強すぎて寝たきりになってしまう方もいます。圧迫骨折は、自然と骨折が固まって治ることが大多数ですが、なかには治療に難渋するケースや、手術が必要になる方もいます。
場合によっては、下肢が麻痺して動かなくなるような恐ろしい状況となることもありえます。
体の奥にある背骨は体表から観察しづらく、自然と骨折しているとは思わないものなのです。