医者にこう言われて心配される方がたくさんいますが、心配いらないことが多いようである。
では、実際に腰の骨(腰椎)はいくつあるのか?

一般的には腰椎は第1腰椎~第5腰椎までの5個であるが、1個多かったり1個少ないことある。
これを腰仙移行椎という。いちばん下の腰椎が、仙椎に近い形をしている場合(腰椎の仙椎化)と、その逆にいちばん上の仙椎があたかも腰椎のような形をしている場合(仙椎の腰椎化)がある。

では背骨全体では骨はいくつあるのか?
脊柱は24個(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)の椎骨と仙骨・尾骨からなる。
これらの発生過程で胸椎の肋骨が退化したり、仙骨が癒合しきれずに腰椎化したりして脊椎数の異常は生じる。

つまり実際の椎骨数に異常があるかは、全脊椎のレントゲンを撮って数えないとわからないのである。
717人が17胸腰椎(通常の12個の胸椎と5個の腰椎)を持っていて、26人が通常より多い18胸腰椎、5人が通常より少ない16胸腰椎だったという報告もある。
このデータによれば、10%弱の人には多かったり少なかったりするわけで、結構な頻度で腰椎の仙椎化と仙椎の腰椎化は一定の頻度で生じている。腰の骨が多い少ないに関する腰仙移行椎が病態と関連していることはもちろんある。しかし、腰痛のある人がレントゲンを撮った機会にたまたま発見されることが多く、症状と関連ないことの方が多いように感じる。